『阿仏房尼御前御返事』には、 「少しも謗法不信のとが(失)候はゞ、無間(むけん)大城疑ひなかるべし。譬へば海上を船にのるに、船をろそか(粗)にあらざれども、あか(水)入りぬれば、必ず船中の人々一時に死するなり。なはて(畷)堅固なれども、蟻(あり)の穴あれば必ず終(つい)に湛(たた)へたる水のた(溜)まらざるが如し。謗法不信のあかをとり、信心のなはてをかた(固)むべきなり」(御書 九〇六頁) と仰せられ、私どもが真の幸せを築くためには「蟻の穴」ほどの小さな謗法であっても許してはならないと、厳しく御教示あそばされているのであります。 されば、宗門では古来、謗法厳戒を宗是として誡(いまし)めているのであります。 したがって、一生懸命に信心に励み、功徳を積んでいるようであっても、もし、わずかでも謗法があれば、今まで積んできた功徳もたちまちに消え失(う)せてしまうのでありますから、謗法に対しては常に用心を怠(おこた)りなくしていかなければなりません。 そのためには、私どもは常に折伏を忘れず、謗法を破折し、妙法広布へ挺身(ていしん)していくことが最も肝要であります。 特に今、宗門は来たるべき平成三十三年・宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年、法華講員八十万人体勢構築へ向かって、僧俗一致して前進していますが、一人ひとりが謗法厳誡戒の宗是を堅く守り、謗法を破折し、もって各支部ともに必ず誓願を達成されますよう心からお願いし、本日の挨拶といたします。 (大白法・平成30年8月16日号より抜粋) (平成30年12月掲載) |