そもそも、折伏は最高の仏道修行であり、また仏祖三宝尊に対する最善の報恩行であります。 故に、総本山第二十六世日寛上人は『報恩抄文段』のなかで、 「邪法を退治するは即ち是(こ)れ報恩(中略)正法を弘通するは即ち是れ謝徳(しゃとく)(中略)謂(い)わく、身命を惜(お)しまず邪法を退治し、正法を弘通する、則(すなわ)ち一切の恩として報ぜざること莫(な)きが故なり」(御書文段 三八四頁) と御指南あそばされているのであります。 まさに、折伏こそが、仏祖三宝尊の恩をはじめとして、四恩報謝のための最高の報恩行であります。 つまり、私達日蓮正宗僧俗の真実の報恩行とは、三大秘法の御本尊様を御建立あそばされた大聖人様の大慈大悲のお心を心とし、不惜身命の信心で破邪顕正の折伏を実践するところにあることを、よく銘記すべきであります。 と同時に、今、私どもがこの大御本尊様に出値えたのも、ひとえに自分を折伏してくれた人のお陰であります。 であるならば、私達はその人に対して心からの感謝と恩返しをしていかなければなりません。 ところが、仏法の上から申しますならば、自分を折伏してくれた人に対する感謝と恩返しは、今度は自分が折伏する立場に立って、いまだこの大法を知らない人のために、一切衆生救済の秘法たる大聖人様の仏法を説いていくこと、すなわち折伏することこそが、最高の恩返しとなるのであります。 今、宗門は、全国の各支部ともに、来たるべき平成三十三年を目指して、法華講員八十万人体勢構築へ向け、一致団結して日夜、奮闘されておりますが、この時に当たり、一人ひとりが、今、我々は何をなすべきかを自覚し、講中が総力を結集して、敢然(かんぜん)と折伏に打って出て、御宝前に誓った折伏誓願は必ず達成することが最も大事であります。 どうぞ皆様には、残り四ヵ月、悔いを残すことなく、敢然として折伏を行じ、一人も漏れることなく、大御本尊様の広大無辺なる御恩徳に報いられますよう心から願い、本日の挨拶といたします。 (大白法・平成29年9月16日号より抜粋) (平成29年11月掲載) |