大聖人様は『最蓮房御返事』に、 「信心に退転無く身に詐親(さしん)無く、一切法華経に其(そ)の身を任せて金言の如(ごと)く修業せば、慥(たし)かに後生は申すに及ばず、今生(こんじょう)も息災延命にして勝妙(しょうみょう)の大果報を得(え)、広宣流布の大願をも成就すべきなり」(御書六四二頁) と仰せであります。 「信心に退転無く身に詐親無く」とは、退転とは仏道修行を怠(おこた)り、退いて元に戻ってしまうことであります。 つまり、前進のない姿を言うのであります。 退転の反対が、不退転でありますが、仏道修行の過程で、功徳・善根がいよいよ増進して、既に得た功徳をけっして失うことがないことを言います。 詐親とは、詐(いつわ)り親しむことで、外面のみ敬(うやま)い親しむふりをして、本当らしく思わせるように振舞うなど、諂(へつら)う姿を言うのであります。 つまり、懈怠(けだい)や偽(いつわ)りのない純真なる信心をもって、一切を大御本尊様へ任せて、御金言のままに自行化他の信心に励むところ、後生は申すまでもなく、今生においても「息災延命」すなわち、災いを止(とど)め寿命を延ばし、災難や障害のない、幸福にしてゆるぎない最高の境界、生活を送る事ができ、広宣流布の大願をも必ずかなうことができると仰せられているのであります。 されば、私どもはこの御金言を拝し、自らの幸せも、世の中の多くの人々の幸せも、また国土の安穏(あんのん)も、すべて一切衆生救済の秘法たる末法の御本仏宗祖日蓮大聖人の仏法をもってする以外にはないことを確信し、その断固不動の信念のもとに、講中一結して破邪顕正の折伏を果敢に行じていくことが、今、最も肝要なのであります。 (大日蓮・平成28年8月1日号より抜粋) (平成28年12月掲載) |