日蓮正宗 昭倫寺

日如上人御言葉 七月度 広布唱題会の砌

 

令和6年7月7日


 「実乗の一善」とは、大聖人様の元意(がんい)は文上の法華経ではなく、法華経本門寿量品文底独一本門の妙法蓮華経のことであり、三大秘法の随一、大御本尊のことであります。

すなわち、この大御本尊に帰依することが、国を安(やす)んずる最善の方途(ほうと)であると仰せられているのであります。

よって、総本山第二十六世日寛上人は「立正」の両字について、「立正の両字は三箇の秘法を含むなり」(御書文段 六頁)と仰せであります。

すなわち「立正」の「正を立てる」とは、末法万年の闇を照らし、弘通するところの本門の本尊と戒壇と題目の三大秘法を立つることであり、国土安穏のためには、この三大秘法の正法を立つることこそ、最も肝要であると仰せられているのであります。

また「安国」の両字については、「文は唯(ただ)日本及び現在に在り、意は闇浮(えんぶ)及び未来に通ずべし」(同 五頁)と仰せられています。

つまり「国」とは、一往は日本国を指しますが、再往は全世界、一閣浮提を指しているのであります。

また『立正安国論』の対告衆(たいごうしゅ)は北条時頼であり、予言の大要は自界叛逆難・他国侵逼難の二難でありますが、実には一切衆生に与えられたところの諫言(かんげん)書であります。

さらに、一往付文の辺は専(もっぱ)ら法然(ほうねん)の謗法を破折しておりますが、再住元意の辺は広く諸宗の謗法を破折されているのであります。

されば今、悪世末法の世相そのままに人心が乱れ、世情騒然とし、ウクライナとロシアの情勢など、いつ世界的な大きな戦争に発展しかねない、極めて危険な状況を見る時、さらにまた、新型コロナウイルス感染症によって世の中が騒然としている時、まさしくかくなる時こそ、私どもは本年「折伏前進の年」にふさわしく、各講中ともに異体同心・一致団結して一人でも多くの人々に、そして一日でも早く妙法を下種し、折伏をしていかなければならないことを一人ひとりがしっかりと認識され、真の世界平和実現と全人類の幸せを願い、一天広布へ向けて勇躍として前進されますよう心から願い、一言もって本日の挨拶といたします。


(大白法 令和6年7月16日号 掲載)


(令和6年10月掲載)