大聖人様は『一念三千法門』に、 「妙法蓮華経と唱ふる時心性(しんしょう)の如来顕はる。耳にふれし類(たぐい)は無量阿僧祇劫(あそうぎこう)の罪を滅す。一念も随喜する時即身成仏す。縦(たと)ひ信ぜずとも種と成り熟と成り必ず之(これ)に依って成仏す。妙楽(みょうらく)大師の云はく『若(も)しは取(しゅ)若しは捨(しゃ)、耳に経(へ)て縁と成る、或(あるい)は順或は違、終(つい)に斯(これ)に因(よ)って脱す』云云(中略)此(こ)の娑婆世界は耳根得道(にこんとくどう)の国なり」(御書 一〇九頁) と仰せであります。 「耳根得道」とは、仏法を聞いたことが縁となり、成仏得道することを言うのでありますが、私どもの折伏もこれと同様、たとえ相手が私どもの話を拒(こば)み、耳を塞(ふさ)ぎ聞こうとせず、反対したとしても「縦ひ信ぜずとも種と成り熟と成り必ず之に依って成仏す」と仰せのように、妙法を聞いたことが因となり、縁となって、やがて成仏に導くことができるのであります。 (中略) 今、末法は謗法が充満し、ために多くの人々が知らず知らずのうちに悪縁に誑(たぶら)かされ、邪義邪宗の害毒によって不幸の境界から脱することができずにいます。 こうした人々を救済していくためには、正像過時の如き摂受(しょうじゅ)ではなくして、破邪顕正の折伏をもってするのが最善の方途(ほうと)であり、折伏こそ末法の一切衆生救済の最高の慈悲行であります。 なかんずく、昨今の新型コロナウイルス感染症による騒然とした国内外の様相を仏法の鏡に照らして見る時、その根本原因は邪義邪宗の謗法の害毒にあることを知り、今こそ私どもは全力を傾注(けいちゅう)して、一人ひとりの幸せはもとより、全人類の幸せと全世界の平和実現のため、一天四海本因妙広宣流布を目指して、破邪顕正の折伏を決然として実践していかなければなりません。 されば、皆様方には本年度の記念局のポスターに「今こそ 折伏の時」と記されていることをしっかりと心肝に染め、いよいよ講中一結・異体同心して、一切衆生救済の最善の方途たる折伏に立ち上がり、何としてでも御宝前にお誓い申し上げました折伏誓願を達成し、晴れて仏祖三宝尊の御照覧を仰がれますよう心からお祈りし、本日の挨拶といたします。 (大白法・令和4年6月16日号より抜粋) (令和4年9月掲載) |