日蓮正宗 昭倫寺

日如上人御言葉 三月度 広布唱題会の砌

 令和4年3月6日 於 総本山客殿

大聖人様は『立正安国論』に、
「倩(つらつら)微管(びかん)を傾け聊(いささか)経文を披(ひら)きたるに、世皆(みな)正に背(そむ)き人悉(ことごと)く悪に帰(き)す。故に善神国(くに)を捨てゝ相(あい)去り、聖人所(ところ)を辞して還(かえ)らず。是(ここ)を以(もっ)て魔来たり鬼(き)来たり、災(さい)起こり難(なん)起こる。言(い)はずんばあるべからず。恐れずんばあるべからず」(御書 二三四頁)
と仰せられ、今日(こんにち)の如き惨状は、まさしく「世皆正に背き人悉く悪に帰す」故であると仰せあそばされているのであります。

さらに、
「嗟呼(ああ)悲しいかな如来誠諦(じょうたい)の禁言(きんげん)に背くこと。哀(あわ)れなるかな愚侶(ぐりょ)迷惑の麁語(そご)に随ふこと。早く天下の静謐(せいひつ)を思はゞ須(すべから)く国中の謗法を断(た)つべし」(同 二四七頁)
と仰せられ、今日の如き難局を乗りきるためには、不幸の根源たる謗法を破折し、一人でも多くの人に妙法を下種して、破邪顕正の折伏を行じていくことが最も肝要であると仰せであります。

(中略)

されば、今日、邪義邪宗の謗法がはびこり、ために世情が混乱し、戦争、飢餓(きが)、疫病(えきびょう)、異常気象等によって様々な悪現象を現じている時、まさにこのような時こそ、我々は不軽菩薩の行いを軌範として、一人でも多くの人々に妙法を下種し、折伏を行じていかなければならないのであります。
まさに「今こそ 折伏の時」であります。

大聖人様は、『一念三千法門』に、
「此の経は専(もっぱ)ら聞(もん)を以て本と為(な)す。凡(およ)そ此の経は悪人・女人・二乗・闡提(せんだい)を簡(えら)ばず。故に皆(かい)成仏道とも云ひ、又平等大慧(びょうどうだいえ)とも云ふ。善悪不二・邪正一如と聞く処(ところ)にやがて内証成仏す。故に即身成仏と申し、一生に証得(しょうとく)するが故に一生妙覚と云ふ。義を知らざる人なれども唱ふれば唯(ただ)仏と仏と悦び給ふ。『我即歓喜諸仏亦然(やくねん)』云云。百千合はせたる薬も口に飲まざれば病も愈(い)えず。蔵に宝を持(も)てども開く事を知らずしてかつ(餓)へ、懐(ふところ)に薬を持ちても飲まん事を知らずして死するが如し」(同 一一〇頁)
と仰せであります。

信心とは、すなわち実践であり、体験であります。

どうぞ皆様方には、この御金言を拝し、いよいよ信心強盛に自行化他の信心に励み、一生成仏の境界を築かれますよう心から願い、本日の挨拶といたします。


(大白法・令和4年3月16日号より抜粋)

(令和4年5月掲載)