大聖人様は『聖愚問答抄』に、 「経教のおきて蘭菊(らんぎく)に、諸宗のおぎろ(頤)誉(ほま)れを擅(ほしいまま)にし、邪正肩(かた)を並べ大小先(さき)を争はん時は、万事を閣(さしお)いて謗法を責むべし、是折伏の修行なり。此の旨(むね)を知らずして摂折途(みち)に違(たが)はゞ得道は思ひもよらず、悪道に堕(お)つべしと云ふ事、法華・涅槃に定め置き、天台・妙楽の解釈(げしゃく)にも分明(ふんみょう)なり。是仏法修行の大事なるべし」(御書 四〇二頁) と仰せであります。 つまり、末代濁悪の世となると、人心が乱れ、人心が乱れるから世の中が乱れ、世の中が乱れると、それが広く国土世間に及び、旱魃(かんばつ)、疫病、大雨、大風等の異変が起き、それがまた原因となり、悪循環して、ますます人心が乱れ、世の中が乱れ、骨肉相食(あいは)む悲惨な様相を呈し、一国が皆、無間(むけん)大城の苦しみを受けることになると仰せられているのであります。 では、人心が乱れる最大の原因は何かと言えば、間違った思想や考え、すなわち邪義邪宗の謗法の害毒によるのであります。 故に『秋元御書』には、 「謗法の者其(そ)の国に住すれば其の一国皆(みな)無間大城になるなり」(同 一四五〇頁) と仰せられているのであります。 まさに、恐るべきは謗法であります。 この謗法を対治してこそ、世の中は平和になるのであります。 ここに今、私どもが謗法を対治し、折伏を行じていかなければならない大事な理由が存しているのであります。 (大白法・令和2年2月16日号より抜粋) (令和2年5月掲載) |