本日は、海外信徒の皆様には第十九回海外信徒夏期研修会に当たり、世界各国から遠路はるばる、本門戒壇の大御本尊ましますここ総本山大石寺に登山参詣され、まことにおめでとうございます。 様々な困難や障害を乗り越え、総本山に登山参詣された功徳はまことに計り知れないものがあり、このたび御登山された皆様に対して、心から敬意を表するものであります。 大聖人様は『南条殿御返事』に、 「此の砌(みぎり)に望(のぞ)まん輩(やから)は無始の罪障忽(たちま)ちに消滅し、三業(さんごう)の悪転じて三徳を成ぜん」(御書一五六九頁) と仰せられています。 「此の砌」とは、大聖人様のまします所を言いますが、現時においては本門戒壇の大御本尊の御在所たる、ここ総本山大石寺のことであります。 すなわち、本門戒壇の大御本尊まします総本山大石寺に登山参詣する功徳は、計り知れないほど大きく、無始以来の罪障を消滅して、三業の悪を転じて三徳を成ずると仰せられているのであります。 三業の悪を転じて三徳を成ずるとは、過去遠々劫(おんのんごう)から積み重ねられてきた身口意(しんくい)の三業にわたる悪業、すなわち一切の言語、所作・振る舞い、思慮にかかわるすべての悪を転じて、法身(ほっしん)・般若(はんにゃ)・解脱(げだつ)の三徳を成ずることができると仰せられているのであります。 法身・般若・解脱の三徳とは、仏様に具(そな)わる三種の徳相のことで、 「法身」とは仏様が証得された真理、 「般若」とは最高の真理を悟る智慧、 「解脱」とは法身・般若の二徳が一如となり、生死の苦界から脱却した状態 をいうのであります。 されば、私どもは一人ひとりがこの御金言を拝し、いよいよ信心強盛(ごうじょう)に、一天広布を目指して妙法広布に励む時、必ず大御本尊様の広大無辺なる御冥護(みょうご)を賜り、三業の悪を三徳に転じて、必ず一生成仏することができるのであります。 今、宗門は、来たるべき平成三十三年・宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年、法華講員八十万人体制構築へ向けて、僧俗一致・異体同心して前進をしておりますが、この時に当たり、私どもは本因下種の妙法の広大無辺なる功徳を確信し、勇猛果敢に折伏を行じ、もって全世界の人々の心田(しんでん)に妙法の仏種を植え、救っていかなくてはなりません。 もちろん、その前途はけっして楽なものではありませんが、 「妙法蓮華経を修行するに難来たるを以(もっ)て安楽と意得(こころう)べきなり」(御書一七六二頁) との御金言を胸に、異体同心・一致団結して折伏に励む時、必ず誓願を達成することができるのであります。 本日、はるばる海外より総本山に登山参詣された皆様には、この御登山を機に、いよいよ強盛な信心を奮い起こし、それぞれの地域において妙法広布を目指して御精進くださるよう心から念じ、はなはだ粗略ながら、一言もって挨拶といたします。 (大白法・平成28年9月1日号より抜粋) (平成29年1月掲載) |