(立正安国論 御書二五〇頁九行目) 今世(こんぜ)には性心(しょうしん)を労(ろう)し来生(らいしょう)には阿鼻に堕(だ)せんこと文(もん)明らかに理詳(つまび)らかなり疑ふべからず。弥(いよいよ)貴公の慈誨(じかい)を仰ぎ、益(ますます)愚客の癡心(ちしん)を開き、速やかに対治を廻(めぐ)らして早く泰平を致し、先づ生前を安(やす)んじ更に没後(もつご)を扶(たす)けん。唯(ただ)我が信ずるのみに非ず、又他の誤りをも誡(いまし)めんのみ。 (通解) 今世には辛労に心を煩わせ、来生には無間地獄に堕つる、ということは、文証も明らかで道理もはっきりしていて、少しも疑いがない。 今後、いよいよあなたの慈悲の教誡を仰いで、ますます愚かな自分の迷情を開き、すみやかに謗法対治の策をめぐらして、早く天下を泰平にし、まず今生を安穏にして、さらに死後をも扶けたいと思う。 このことは、ただ自分が信ずるのみではなく、他の人々の誤りについても誡めていく決意である。 |