(千日尼御前御返事 御書一二九〇頁九行目) 人は臨終の時、地獄に墮つる者は黒色となる上、其の身重き事千引の石の如し。 善人は設ひ七尺八尺の女人なれども色黒き者なれども、臨終に色変じて白色となる。 又軽き事鵞毛の如し、軟らかなる事兜羅綿の如し。 (通解) 人は臨終の時、地獄に堕ちる者は黒色となる上、その身の重い事は千引の石ようなものである。 善人はたとえ七尺八尺(尺…約三〇センチメートル)の女性であっても、色の黒い者であっても臨終には色が変わって白くなる。 また身の軽い事はガチョウの羽毛のようであり、柔らかな事は兜羅綿(錦糸に兎の毛を交えて織った舶来の織物)のようである。 |