(十字御書 平成新編一五五一頁四行目) 地獄と仏とはいづれの所に候ぞとたづね候へば、(中略)我等が五尺の身の内に候とみへて候。さもやをぼ(覚)へ候事は、我等が心の内に父をあな(蔑)づり、母ををろ(疎)かにする人は地獄其の人の心の内に候。譬(たと)へば蓮のたねの中に花と菓とのみ(見)ゆるがごとし。仏と申す事も我等が心の内にをは(御座)します。譬へば石の中に火あり、珠の中に財(たから)のあるがごとし。 (通解) 地獄と仏とは、どこにあるのかを調べてみると、(中略)私達の五尺の身の内に存在すると説かれている。 そのように考えるのは、我々の心のなかに父をあなどり、母をおろそかにする人は地獄がその人の心のなかにあることになる。 譬えば蓮の種の中に花と実とを備えているようなものである。 仏というのも我々の心のなかにあらわれる。 譬えば、石の中に火があり、珠の中に財があるようなものである。 |