(妙法曼陀羅供養事 平成新編六九〇頁十四行目) 大日如来の智拳(ちけん)印、並びに大日の真言、阿弥陀如来の四十八願、薬師如来の十二大願、衆病悉除(しゅびょうしつじょ)の誓ひも及ぶべからず。此等の薬をつかはゞ病消滅せざる上、いよいよ倍増すべし。此等の末法の時のために、教主釈尊・多宝如来・十方分身(ふんじん)の諸仏を集めさせ給ふて一の仙薬をとゞめ給へり。所謂妙法蓮華経の五の文字なり。 (通解) (末代の一切衆生は、どのような良薬で、大重病を治すことができるのか考えてみると) 大日如来の智拳の印ならびに大日如来の真言、阿弥陀如来の四十八願、薬師如来の十二大願、特にその中の衆病悉除の誓いも、この重病を治す薬の働きをすることができない。 一向に病が消滅しないうえ、ますます病は倍増するであろう。 このような末法の時のために、教主釈尊・多宝如来・十方分身の諸仏を集められて、一つの仙薬をとどめおかれた。 いわゆる、妙法蓮華経の五つの文字である。 |