(立正安国論 御書二四八頁一三行目) 主人悦(よろこ)んで曰く、鳩(はと)化(け)して鷹(たか)と為り、雀(すずめ)変(へん)じて蛤(はまぐり)と為る。悦ばしいかな、汝蘭室(らんしつ)の友に交はりて麻畝(まほ)の性(しょう)と成る。誠に其の難を顧(かえり)みて専ら此の言を信ぜば、風和(やわ)らぎ浪(なみ)静かにして不日(ふじつ)に豊年ならんのみ。 (通解) 主人は悦んで言った。 故事に鳩が化して鷹となり、雀が変じて蛤となる、とある。 悦ばしいことに、あなたもまた正法を受持する私のもとへ来て、曲がった草が麻畑の中でまっすぐ伸びるように、捨邪帰正を決意した。 まことに昨今の世の災難を振り返って、仏の説いた言葉を専一に信ずるならば、仏教界の混乱は収まって、遠からず世は豊年となるであろう。 |