御講聞書(御書一八五八頁十一行目) 正像二千年の仏法は爾前迹門なれば、魔王自身障碍をなさずともなるべし。今末法の時は所弘の法は法華経本門、事の一念三千の南無妙法蓮華経なり。能弘の導師は本化地涌の大菩薩にて御座(おわ)し候はん。然る間魔王自身下りて障碍せずんば叶ふべからざるなり。仍って自身下りたる事分明なり。 (通解) 正法像法二千年の間の仏法は爾前迹門が信じられる時代なので、魔王自身が障碍をせずとも信心を妨げる事が出来る。 しかし今末法の時は弘まるべき法は法華経本門、事の一念三千の南無妙法蓮華経である。 弘める導師は本化地涌の大菩薩である。 そうであるから魔王自身が地上に下りて障碍しなければ、正法流布を妨げることが出来ないのである。 よって魔王自身が下ったことは明白である。 深く正しい教えには、より強大な魔が現れるのである。
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