聖愚問答抄(御書四〇〇頁 三行目) 愚人狂い酔いて毒を服せんを我知りながら是をいましめざらんや。其の如く法門の道理を存じて火・血・刀の苦を知りながら、いか(争)でか恩を蒙る人の悪道にお(堕)ちん事を歎かざらんや。身をもなげ命をも捨つべし。諫めてもあきたらず歎きても限りなし。 (通解) 愚人が狂い酔って毒を服そうとしているのを自分が知りながらこれを注意しないのであろうか。 そのように法門の道理を知り火・血・刀(地獄・畜生・餓鬼の三悪道)の苦痛を知りながら、どうして恩を受けた人が悪道に堕ちるのを歎かないでいられようか。 身をも投げ命をも捨てるべきである。 諫めても諫め切れず歎いても止まるところがない。 |