法華初心成仏抄(御書一三一九頁十三行目) 経文の如くならば、末法の法華経の行者は人に悪まるゝ程に持つを実の大乗の僧とす。又経を弘めて人を利益する法師なり。人に吉しと思はれ、人の心に随ひて貴しと思はれん僧をば、法華経のかたき世間の悪知識なりと思ふべし。此の人を経文には、猟師の目を細めにして鹿をねらひ、猫の爪を隠して鼠をねらふが如くして、在家の俗男俗女の檀那をへつらひ、いつ(偽)わりたぼらかすべしと説き給へり。 (通解) 経文に説かれるとおりならば、末法の法華経の行者は人に憎まれるほどに(法華経を)持つのを真実の大乗の僧とするのである。 またこの僧は経を弘めて人を利益する法師である。 人によく思われたり、人の心に随うことで貴しと思われる僧は法華経の敵であり、世間の悪知識と思いなさい。 この人を経文には「猟師が目を細めて鹿をねらい、猫が爪を隠して鼠を狙うようにして在家の俗男俗女の檀那にへつらい、偽りたぼらかすであろう」と説かれている。 |