総本山第二十六世日寛上人は『報恩抄文段』に、 「邪法を退治するは即ち是れ報恩(中略)正法を弘通するは即ち是れ謝徳(中略)謂わく、身命を惜しまず邪法を退治し、正法を弘通する、則ち一切の恩として報ぜざること莫きが故なり」 (御書文段 三八四頁) とご教示あそばされています。 すなわち、折伏こそが三宝の恩をはじめとして、父母の恩、衆生の恩、国主の恩に対する最高の報恩であると仰せられているのであります。 そして、その折伏を実践するに当たって大切なことは何かと言えば、すなわち唱題であります。 よって、日寛上人は『勧心本尊抄文段』に、 「自行若し満つれば必ず化他有り。化他は即ち是れ慈悲なり」 (同 二一九頁) と充分な唱題を行うところに、必ず折伏の実践が伴うことを御指南あそばされているのであります。 したがって折伏に当たっては、まず、しっかり唱題に励むことが肝要であります。御本尊様に祈り、相手を思う一念と強い確信が命の底から湧き上がってきた時、その確信に満ちた言葉は、必ず相手の心を揺さぶらずにはおかないのであります。 すなわち折伏は、相手の幸せを祈り、不幸の根源である邪義邪宗の謗法を破折し、この妙法を至心に信じていけば、必ず幸せになれることを誠心誠意、伝えていくことが大事なのであります。 (令和7年7月掲載) |