『曽谷殿御返事』には、 「謗法(ほうぼう)を責めずして成仏を願はゞ、火の中に水を求め、水の中に火を尋(たず)ぬるが如くなるべし。はかなしはかなし。何(いか)に法華経を信じ給ふとも、謗法あらば必ず地獄にを(堕)つべし。うるし(漆)千ばい(杯)に蟹(かに)の足一つ入(い)れたらんが如し。『毒気深入(どっけじんにゅう)失本心故(しっぽんしんこ)』とは是(これ)なり」(御書 一〇四〇頁) と仰せられ、一生成仏を願う私どもの信心において、大聖人様の正しい信心を妨(さまた)げる邪義邪宗の謗法を対治し、折伏することがいかに大事であるかを御教示あそばされているのであります。 したがって、不幸の根源たる邪義邪宗の謗法を見ながら、知りながら、そのまま放置して責めもせず、折伏もせず、黙って見過ごすようなことがあれば、末法の御本仏宗祖日蓮大聖人の教えに背(そむ)くことになり、成仏得道は思いも及ばないことになってしまう。 それはあたかも、たくさんの漆(うるし)の中に蟹の足一本を入れたようなものであると仰せられているのであります。 特に今、世界中が新型コロナウィルス感染症によって騒然としている時、かくなる時こそ、私どもは不幸の根源たる邪義邪宗の謗法を破折し、一切衆生救済の秘法たる妙法の広大無辺なる功徳を一人でも多くの人々に説き、一意専心、折伏を行じていくことが、最も大事であることを一人ひとりがしっかりと心肝に染め、講中一結・異体同心して、敢然として折伏を行ぜられますよう心からお願い申し上げ、本日の挨拶といたします。 (大白法・令和3年9月16日号より抜粋) (令和3年12月掲載) |